【知識】魔法びんのひみつ|魔法瓶で温度を保ってくれる仕組み
2018/04/12
ワタシが子供の頃の「魔法瓶」な水筒といえば、中身に鏡を使用した、落とせばエラいことになってしまうものでした。
当時はなんで鏡を使っていたかはよく分かりませんでしたが、教室で割ってしまっている同級生を幾人か見ました。
小学生の高学年ぐらいになると「割れない魔法瓶」なるものが登場し、随分と恩恵を受けたものです。
さて、現代。
幼稚園に通う長男に持たせている水筒はどういったものなのかといえば、もちろん「割れない魔法瓶」。
4歳のくせに生意気な(笑)
その魔法瓶、どういう仕組で温度を保っているのかあまり意識したことがなかったのですが、この度、水筒に添付されていた1枚の紙によって判明。
きっちりとブログのネタになってくれました。
魔法瓶のひみつ
どうやら「2重構造」かつ「真空」になってるかららしい。
では、なんで2重構造かつ真空にすると冷めにくくなるのか?
ということで、グーグル先生に尋ねたところ、以下の答えを得ました。
熱が移動することを「熱伝達」と呼び、熱伝達とは、「熱伝導」、「対流」、「放射(輻射)」の3つのタイプがあり、魔法瓶は「熱伝達」を遮断する技術とのこと。
熱伝導を防ぐ
「熱」というのは、「高い温度」の物と「低い温度」の物とが接していた場合、高温から低温に熱が移動する性質を持っています。これを「熱伝導」と呼びます。
真空の場合は空気の分子が存在しないので(ほとんど)熱伝導はないとのこと。
対流を防ぐ
加熱された物質が流動することで、熱伝達される現象を「対流」と呼びます。
真空の場合は空気が存在しないので、対流はありません。
対流現象は浮力が原因で起こる現象で、気体が存在しない真空中では対流はゼロとなります。
放射(輻射)を防ぐ
熱エネルギーが電磁放射(輻射)によって伝達される現象を「放射(輻射)」と呼びます。
放射は真空の空間を媒体にしても熱エネルギーを伝えます。
太陽の熱が地球に届くように、放射は真空を通しても熱エネルギーは伝わります。
そのため魔法瓶では内面に鏡面加工を施したり、真空層に銅箔を挟み込むなどをして熱放射を反射させて熱エネルギーを内部に保つようにしています。
まとめ
一言にすると「真空の2重構造にすることにより、3種の熱伝達を防いでいる」という事なのですね。
昔の魔法瓶の中身が鏡だったってのも(放射を防ぐの段にあるように)、鏡は光を最大限に反射する性質を持っている一方で、熱も反射する性質を持ち合わせているからなのです。
ストーブの背面プレートが鏡になっているのも同じ理由。外に向かう熱の輻射を抑えているのです。
鏡面加工に加えて、内ビンと外ビンの間を真空(に近い)状態にしてあるので、空気がなければ温度は伝わらず、中と外の温度差にはほとんど影響されないというわけ。
なるほどねぇ。
小さい水筒にもこれほどの理論と工夫がされているとは。
小・中学生の特に気づいていれば、夏休みの自由研究はこれで終わったのになぁw
ちなみに、真空ではありませんが同じようなものには、窓ガラスを2重にして空気の層を作り、音と温度を遮断しているってのがありますね。