狐火の家

書籍・文庫

貴志祐介|狐火の家

2013/06/19

久々に貴志祐介作品を読む。

長編だと思っていたのですが、短編が4編、しかも「硝子のハンマー」の防犯アドバイザー・榎本径 / 弁護士・青砥純子コンビが登場するものでした。
なんとなく、ちょっと意外な気がしました。

貴志祐介|狐火の家

狐火の家
「ほう、そう来たか」と、思ってしまう、作りはなんとなく「硝子のハンマー」風。
相変わらず青砥弁護士の推理の外し方が笑える。

黒い牙
このトリック、よく思いつくな・・・と感心してしまう作品。
狐火の家で出てきた、あるものが伏線になろうとは。
黒い奴らの習性や、そのオーナーたちの立ち居振る舞いの描き方は、ガチで趣味なんじゃないのかと疑ってしまうほどのクオリティ。
無論、取材で得たものとは思いますが(苦笑)
そういった作りこみ加減は、なんだか小川一水を感じさせる作品でした。

盤端の迷宮
これが4編の中では一番好き。これまたよく調べたなと感心してしまいました。
犯人を断定するくだりがちょっと強引な気がしましたが、よくまとまっていますし、刑事であるハゲコウとも協力関係にある榎本の素性がますます何者なんだ、と思ってしまいます。

Dog knows 犬のみぞ知る
やりすぎ(笑)
せっかくの美人秘書再登場なのに。

全体的に、もうちょっと堅苦しくないような文章なら更にいいのに、と思ってしまいましたが、テンポよく進みますし、どれも力の入った良い作品です。
個人的に、続編が出ることを非常に望みます。

しかし登場する榎本径、映像化するなら若い時の水谷豊って感じがしてならないな。

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