読書|有川 浩|三匹のおっさん
2013/06/19
「図書館戦争」シリーズなどで知られる、有川浩氏の本。
続編である「三匹のおっさん ふたたび」が出るのに合わせる形で文庫落ちしていたので購入。
ハードカバーは持ち運びも保管も大変なんですよねぇ、やっぱり。
定年退職した、剣道の達人・キヨ、呑み屋の亭主で柔道の達人・シゲ、工場経営者で機械をいじらせたら右に出る者なしのノリ。子ども時分から悪ガキ三人組と呼ばれてきた三人が、町内で自警団を設立し、振りかかる難題に立ち向かう、といった内容。
途中からキヨの孫とノリの娘が登場し、いつの間にかボーイミーツガール風になっていってますが、メインはおっさんたち。
「じじいと呼ぶな、おっさんと呼べ」
しびれますね。
一筋縄ではいかない、酸いも甘いも噛み分けたおっさんは、やはり良い。
今日び流行りの美少女なんて登場の幕なし。
タイトルからして「三匹が斬る」とか「ズッコケ三人組」をモチーフにしているのは読み取れますが、おっさんたちの活躍や登場人物など、純粋に面白いってのもありますが、単純な勧善懲悪モノではなく、いわゆる問題喚起、考えさせられる場面も多々ある、内容の濃い物語。
ご家庭内の問題、強盗・痴漢の撃退、中学校の動物虐待や催眠商法など、感情移入しやすい、身近に有りそうな題材で訴えかける、有川氏の力量が詰まった一冊だと思います。
それはそうと「シアター!」の続きはいつ出るのだろうか? 楽しみに待っているのだがなぁ。
【文藝春秋・特設サイト】
文藝春秋 | 有川 浩『三匹のおっさん』特設サイト
三匹のおっさん (文春文庫) 有川 浩 |